夏の植木屋の話。

植木屋は植物を扱う仕事。

だから人間の都合ではなく、植物に合わせて仕事をしなければいけません。

植物にとって最も過酷な時期が夏。

特に近年の夏は異常な猛暑。

その為、今まで植木屋が培ってきた植物に対する常識や経験が通用しなくなってきています。

植木屋の繁忙期は主にお盆前とお正月前。

親戚や知人の来客が多くなる前にお庭を綺麗にしたい人が多い為、この時期に剪定の依頼が集中します。

うちの場合は、お庭の年間管理や夏に剪定をご依頼頂いた場合、樹木の形を整えて少しだけ風通しを良くする程度の軽剪定にしています。

これは夏の日差しで枝や幹がダメージを負わないようにするため。

落葉樹など葉の薄い樹木は特に注意が必要。

すぐ葉焼けを起こしてしまう為、夏の剪定は避けることが無難です。

植栽に関しても、作業は梅雨前までにしています。

通常、植栽してから植物が自身で水が吸えるようになるまで約1カ月程度。

その前に夏が来てしまうと、自分で水が吸えずに暑さで枯れてしまうのが明白だからです。

昔は9月頃から植栽を再開出来ましたが、近年は10月末頃まで暑い日が続く為、頭を悩ませています。

もう少しで植物も私たちもつらいつらい酷暑の日々がやってきます。

今年も無事に乗り切ることができるのかと不安に思う今日この頃。